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研究設備

共焦点顕微ラマン分光光度計 (Confocal Micro-Raman Spectrometer, NRS-3100, 日本分光)
(通称:JASCORaman)

 ラマン分光光度計は、単一波長のレーザー光を試料に照射したときに散乱される光の中から、もとの光と異なる波長の光を集めてスペクトルとして測定し、分子構造を解析する装置です。この装置ではDPSSグリーンレーザーの光(532nm、緑色)が励起光として使われています。共焦点光学系が採用されており水平方向、垂直方向とも約1μmの空間分解能で測定することができます。また、電動ステージを備えており、ラマン散乱強度に基づいて化学組成の空間分布を表示するケミカルマッピング像を測定することができます。さらに、温度可変ステージを使って高分子の結晶化や温度応答性高分子水溶液の相分離の過程を追跡することもできます。本研究室のラマン分光光度計のフラグシップ機としてほとんど改造せずに大切に使っています。

倒立型走査プローブ顕微ラマン分光光度計 (Scanning Probe Microscopic Raman Spectrometer
(通称:倒立型AFM-Raman)

 ラマン分光光度計(HR800, 堀場JY)、走査型プローブ顕微鏡(SPM-9500, 島津製作所)、倒立型顕微鏡などを組み合わせた複合機です。HR800He-Neレーザー(633nm, 赤色)と液体窒素冷却CCD検出器を備えています。共焦点光学系と電動ステージも備えており、約1μmの空間分解能でマッピング測定をすることができます。SPMと組み合わせることで、ナノメートルに迫るさらに高い空間分解能での測定の実現を目指しています。倒立型顕微鏡のステージ上にSPMのヘッドを配置することで、対物レンズからカバーガラス上の試料を通してAFM探針に励起光を照射するボトムイルミネーション型の探針増強ラマン(TERS)装置としています。

正立型走査プローブ顕微ラマン分光光度計 (Scanning Probe Microscopic Raman Spectrometer, 堀場JY, HR800など)
(通称:正立型AFM-Raman)

 もともと HR800は共焦点光学系と電動ステージを備えており、約1μmの空間分解能でマッピング測定をすることができます。現在、原子間力顕微鏡(AFM)と組み合わせる改造を進めており、ナノメートルに迫るさらに高い空間分解能での測定の実現を目指しています。倒立型顕微鏡のステージ上にAFMヘッドを配置することで、対物レンズからカバーガラス上の試料を通してAFM探針に励起光を照射するボトムイルミネーション型の探針増強ラマン(TERS)装置としています。この装置はHe-Neレーザーの633nm(赤色)の光を励起光として使っています。

正倒立型顕微ラマン分光光度計 (Atomic Force Microscopic Raman Spectrometer, 堀場JY, HR800など)
(通称:正倒立-Raman)

 もともと HR800は共焦点光学系と電動ステージを備えており、約1μmの空間分解能でマッピング測定をすることができます。現在、原子間力顕微鏡(AFM)と組み合わせる改造を進めており、ナノメートルに迫るさらに高い空間分解能での測定の実現を目指しています。倒立型顕微鏡のステージ上にAFMヘッドを配置することで、対物レンズからカバーガラス上の試料を通してAFM探針に励起光を照射するボトムイルミネーション型の探針増強ラマン(TERS)装置としています。この装置はHe-Neレーザーの633nm(赤色)の光を励起光として使っています。

電気化学ラマン分光光度計 (Electrochemical Raman Spectrometer, Renishaw, System1000 & Metrohm, Autolab など)
(通称:電気-Raman)

 電極からの電子の移動により分子の酸化還元状態を制御する電気化学法とラマン分光法を組み合わせて測定するための装置です。ポテンショスタットと電気化学セルを使って電極電位を制御しながら試料のラマンスペクトルを測定することで、酸化還元反応に伴うレドックス活性分子の構造変化を追跡できます。励起光源としてDPSSグリーンレーザー(532nm)やHe-Neレーザー(633nm)などが使えます。光路を切り替えることで、同じセルを使って紫外・可視吸収スペクトルの電位変化も測定できます。ポリアニリン誘導体やビオロゲン誘導体高分子などのレドックスポリマーの構造解析に用いています。

フーリエ変換型中赤外分光光度計 (Fourier-Transform Mid-Infrared Spectrophotometer
(通称:バイオラッドのFTIR

 分子に赤外光を照射すると、その分子の分子振動の振動数とちょうど同じ振動数の光は吸収され、残りの光は透過します。赤外光の振動数(波数)と吸光度の関係をスペクトルとして測定する装置が赤外分光光度計です。赤外光は、可視光に近いものから近赤外光、中赤外光、遠赤外光に分類されますが、分子振動の基準振動の振動数は中赤外光の領域にあり、それを測定する装置を特に中赤外分光光度計と呼んでいます。この装置は、マイケルソン干渉計で干渉させた赤外光を、試料を透過させてインターフェログラムを測定し、それにフーリエ変換と呼ばれる数学的な処理を施してスペクトルを得る方式であるため、フーリエ変換型赤外分光光度計(FTIR)と呼ばれています。赤外吸収スペクトルは分子の指紋と呼ばれることがあるように、物質の同定に用いることができるばかりでなく、分子と分子の間の相互作用にも敏感であり水素結合などの解析に適した方法です。

フーリエ変換型中赤外分光光度計 (Fourier-Transform Mid-Infrared Spectrophotometer
(通称:島津のFTIR

 恒温水槽で温度をコントロールした透過型セルを使って温度応答性高分子の相転移現象を追跡するための専用機になっています。

フーリエ変換型中赤外分光光度計 (Fourier-Transform Mid-Infrared Spectrophotometer
(通称:JASCOFTIR

 ゲルマニウムやダイアモンドなどの屈折率が高いプリズムに接触させた試料(屈折率が低い)に臨界角以上の角度で赤外光を入射すると両者の界面で全反射が起こります。厳密には試料側へ数mmほどしみ出して反射されるため、試料により赤外光の一部が吸収されます。この原理に基づいて赤外吸収スペクトルを測定する方法を減衰全反射法(Attenuated Total Reflection, ATR)と呼んでいます。この方法では、プラスチックや繊維などの固体試料の赤外スペクトルを前処理することなく測定できるという便利さがあります。JASCOFTIRにはATR装置を付けて使っています。

フーリエ変換型近赤外分光光度計 (Fourier-Transform Near-Infrared Spectrophotometer
(通称:近赤外)

 基準振動の振動数の2, 3, 4・・・倍の振動数を持つ分子振動は、それぞれ2, 3, 4・・・倍音と呼ばれます。また、振動数の異なる二つの基準振動からなる複合的な振動は結合音と呼ばれます。倍音や結合音は中赤外光より振動数が高い近赤外光の領域の光を吸収しますが、その割合(吸光度)は基準振動に比べて小さくなります。高分子を試料として測定する場合、中赤外吸収スペクトルの測定では数マイクロメーターの厚さのフィルムが必要ですが、近赤外分光光度計では比較的厚いプラスチックの板などをそのままで測定することができるという利点があります。この装置の基本的な構成は中赤外分光光度計と同じですが、光源と検出器が違っています。また、顕微装置が付属しているため微小な領域のスペクトルを測定することもできます。

紫外可視吸収分光光度計 (Ultraviolet-Visible Absorption Spectrophotometer
通称:日立のUV-VIS

 紫外可視吸収分光光度計は紫外光や可視光の波長(l)と分子やイオンなどによるその吸収の強度(吸光度)の関係を測定する装置です。分子による紫外可視光の吸収は電子遷移に基づきます。分子の中には電子が入る分子軌道が複数あり、それぞれ固有のエネルギーを持っています。分子に光が照射されたときに、電子が入っている分子軌道(E1)とそれよりエネルギーが高く電子が入っていない分子軌道(E2)の間のエネルギー差(DE = E2 - E1)に光のエネルギー(hnn:振動数、h:プランク定数)が等しい場合には、分子は光を吸収して電子が E1 の軌道からE2 の軌道へ励起されます。分子軌道間のエネルギー差DE は紫外光や可視光が持つエネルギーに相当し、DE が小さいほど振動数は低く、波長は長くなります。紫外可視吸収分光光度計では通常、紫外光の光源として重水素(D2)ランプが、可視光の光源としてヨウ素タングステン(WI)ランプが使われています。光源の光は回折格子により波長ごとに分けられ(分散)、狭いスリットを通して波長を選択し試料に照射されます。入射光の強度(I0)と透過光の強度(I)を光電子増倍管(PMT)やシリコンフォトダイオードなどの検出器で測定して吸光度(A = log(I/I0))を求めます。

蛍光分光光度計 Fluorescence Spectrophotometer
通称:蛍光)

 物質の中には光を吸収して励起された電子が元の分子軌道に戻るときに、光を放出するものがあります。放出された光を蛍光、蛍光を発する物質を蛍光物質と呼んでいます。蛍光分光光度計は放出された蛍光の波長ごとの強度を測定する装置です。励起光源としては紫外光から可視光までの光を高強度で発するキセノン(Xe)ランプが使われます。光源からの光は第一の回折格子で分散され狭い波長範囲の光が照射されて試料を励起します。通常は励起光の向きに対して90oの方向に放出された蛍光を第二の回折格子で分散して波長ごとの強度を検出器で測定します。



近赤外フォトルミネッセンス光度計 (Near Infrared Photoluminescence Spectrometer
(通称:近赤外蛍光

 近赤外領域(850 – 1600 nm)の蛍光スペクトルの測定に用います。励起光源には500 W Xeランプ(励起波長400 – 1000 nm)、検出器には近赤外に感度を有する冷却InGaAsアレイ(Princeton Instruments, OMA V)を用いています。単層カーボンナノチューブ(SWCNT)のカイラリティ解析などを行うことができます。近赤外レーザーと組み合わせて近赤外ラマンスペクトルの測定もできるようにする予定です。

走査型プローブ顕微鏡 (Scanning Probe Microscope
(通称AFM

 最先端が原子1個でできているような尖った針(探針)で表面をなぞることで試料の形状を観察する顕微鏡を走査プローブ顕微鏡(SPM)と呼んでいます。SPMにはいくつかの種類があり、試料と探針の間に流れるトンネル電流を測定するものを走査トンネル顕微鏡(STM)、試料と探針の間に働く力を測定するものを原子間力顕微鏡(AFM)と呼んでいます。条件が整えば、個々の分子や原子の形を見ることもできます。

走査型電子顕微鏡 (Scanning Electron Microscope
(通称SEM

 小さく絞った電子線(直径1100nm)を走査しながら照射して試料の表面から放出される二次電子を検出し、電子線の位置情報と二次電子の強度から像を構築することで試料の形状を観察する顕微鏡です。光学顕微鏡よりも高い空間分解能を持つので1mm以下の微細な構造を観察でき、被写界深度が深いので広範囲に焦点の合った立体的な像を得ることができます。試料は真空中に置かれるので生体試料のように水分を含むものは予め乾燥しておく必要があります。

共焦点レーザー顕微鏡 (Confocal Laser Scanning Microscope
(通称:倒立型レーザー顕微鏡)

 対物レンズを通して細く絞ったレーザー光を、2枚のミラーを動かすことによりxy平面上で走査し、試料の各点から放出される光を対物レンズで集め、光学フィルターを用いて散乱光を除いた後に蛍光強度を光電子増倍管で測定し、その空間分布を画像にすることで可視化する顕微鏡です。合焦点面からの蛍光のみが共焦点ピンホールを通過することができるため、厚い試料を観察しても薄くスライスしたような鮮明な画像を得ることができます。ステージを上下させて集めた複数の焦点面の2次元像から3次元像を構成することもできます。このシステムはLeicaの倒立型顕微鏡(DM IRBE)とニコンのレーザースキャナー(C1)を組み合わせて作られています。顕微鏡のサイドポートには冷却CCDカメラ(浜松ホトニクス、Orca-ER)を取り付けています。





 

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